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愛すべき愛たち

左アングルからの世界

めいめいの卒業に向けて ー スペシャルソロライブから感じたこと

5月28日、大学から徒歩圏内の原宿クエストホールへ歩き出した。足取りはかなり重く、表参道の坂を下るのと比例して気分まで落ち込んでいくようだった。どうしてクエストホールに向かったのかというと、田村芽実スペシャルソロライブを見に行くためだ。

   田村芽実さんことめいめいは5月30日武道館公演を以てアンジュルム及びハロー!プロジェクトを卒業する。卒業後は彼女の長年の夢であったミュージカル女優を目指すという。28日のスペシャルソロライブは卒業コンサートの前に急遽開かれた。



   めいめいを好きになったのは本当に偶然だった。友達がスマイレージの動画を見ろとしつこく勧めてくれていなければ、今私は何をしていただろうか。間違いなく言えることは5月30日に武道館に行くことにはなっていなかったということだ。恥ずかしいことだがスマイレージに関しては本当に無知だったし、その時点では知ろうとする気概もなかったのだ。めいめいを初めて認識したのは確か『ええか?!』のPVだったと思う。躍動感あふれるダンス、歌声の可愛さ、全身から溢れんばかりアイドルを楽しんでいるめいめいから目を離せなくなった。可愛さも格好よさも兼ね備えている彼女にはまらないわけがなかった。めいめいはあっという間にハロー!プロジェクト内の一推しになった。


   その瞬間からもう3年以上経つ。リリースイベントにもシリアルイベントにも参加した。今まで行われた武道館のコンサートは全て行くことができた。CDもたくさん買った。めいめいの卒業が発表されてからは「めいめいにフルスロットル」をモットーに自分の時間とお金と労力の許すだけ現場に行った。手を出したらお金がかかりすぎるから今まで買わないと決めてきたコンサートツアーのグッズも購入した。ホールツアー開催地の埼玉にも群馬にも遠征した。群馬なんて片道4時間半かけて行った。
   きっともっとずっとめいめいのことを応援してきているファンの方がたくさんいることは分かっている。それは重々承知だが、その上で誤解を恐れずに言えば自分のその時々のできる限りを尽くしてめいめいを応援してきた。笑った時の表情が大好きだった。大人っぽい声もがなり声もきゃぴきゃぴした声も出せる変幻自在な七色の歌声が大好きだった。遠くから見ていても一発でめいめいが分かる激しくてキレのいいダンスが大好きだった。歌声とは裏腹に可愛らしい話し方が大好きだった。アイドルをやっていることに対する覚悟が、その気合いを100%投影したような鋭い眼差しが大好きだった。本当に本当に、こんなに大好きになった推しは今までいなかった。

   どうしてアイドルを辞めてしまうのか。ミュージカル女優はアイドル活動の一環として出来ないのか。まだ18歳なのに人生を決めるのは早すぎるのではないか。色々ぐるぐる考えて、考えすぎて、めいめいに怒りを覚えてしまったことすらあった。悲しくて、悔しくて、やるせなくて、辛くて、そしてやっぱり悲しかった。心にぽっかりと穴が開いた感覚だった。なぜ。どうして。理屈では分かっていても、感情が追いつかなかった。めいめいが目の前からいなくなってしまうことに耐えられる気がしなかった。先述したがホールツアーとして行われた5月15日の三郷市文化会館公演でも、21日のベイシア文化ホール公演でも、もうめいめいが卒業してしまえば2度とアイドルとしての姿を見られなくなってしまうことを思い出して泣いてしまった。もうあのパフォーマンスが見られないんだ、歌声が聴けないんだと思うと涙を堪えずにはいられなかった。ホールツアーはとても楽しかったのに、それよりも悲しい感情の方が勝ってしまった。現場にいない時でもふとしたタイミングで涙が溢れてくることが多々あった。電車の中や授業中、バイトしている間にさえ泣いてしまったことがあった。毎日毎日、5月30日なんて来なければいいと思い続けた。


   そうしてめいめいの卒業を受け入れられないままソロライブの日を迎えてしまった。サークルの活動を終え、ついに1日の予定が残すところめいめいのソロライブのみとなってしまった。卒業という現実から目を背け続けてきたわたしにとって、原宿クエストホールへ向かうことはすなわちめいめいの卒業を認めることと同義だった。ソロライブが終わってしまえばもうめいめい卒業武道館公演を残すのみとなる。正直、ソロライブ開演前はめいめいのソロライブに行ける楽しみより現場が減っていく悲しみの方が大きかった。
   だが、そんな気持ちは開演とともにどこかへ飛んでいってしまった。白いミニスカートの衣装に身を包んだめいめいが上手から弾けとぶように登場した瞬間に目から涙が溢れた。そうだった、めいめいが目の前で歌ってくれて踊ってくれていて、ただそれだけで自分はこんなにも幸せになれるんだった。今までそれを忘れて、いなくなってしまうところばかりに焦点を当ててきてしまった。めいめいが今目の前にいることに対する喜びや感謝の気持ちをどこかへ置いてきてしまっていた。武道館公演までそれを引きずらなくてよかったと心底思う。
   アンジュルムに改名されてからというもの、大器晩成や七転び八起き、ドンデンガエシや次々続々など、スマイレージ時代に多く歌っていた可愛らしい歌詞で高音が多いアイドルソングではなくハイテンポで強気な歌詞に合わせて低音がカッコいい曲が多くなっていた。そんな後者の曲に合わせためいめいのがなりや低い声が大好きだったのだが、ソロライブでは前者の王道アイドルソングをたくさん歌ってくれた。
   特に可愛かったのがVERY BEAUTYとアンブレラ。VERY BEAUTYでは歌詞に合わせ鏡台の前で鏡を覗き込むところから歌い始める。「また鏡を見つめてる どうしてこんな顔よ」鏡に向かってしかめっ面をするめいめいは今まで見てきた中でも特にキラキラと輝いており、素敵な表情をしていた。またアンブレラでは白いレースいっぱいのふりふりの傘を持つのだが、傘の持ち方や身のこなし方が完全に舞台に立つ人のそれだった。ここまで人に見られることを意識したパフォーマンスができるのはハロプロ内でめいめいの右に出る人はいないのではないか。
   もう泣かないと決めたを歌ってくれたのは本当に本当に嬉しかった。当時予定が合わずに行くことができなかったLILIUM 少女純潔歌劇の劇中歌であるこの曲はめいめい演じるマリーゴールドのソロ曲である。めいめいがソロライブで語っていたことだが、今までずっとファンの人たちから卒業までにもう一度歌って欲しいとずっと言われていたそうだ。しかし話の流れの中にあるからこその曲だから単体では歌いたくないとずっと拒んでいたらしいのだが、もう歌う機会がなくなってしまうからと歌ってくれたのだという。歌いたくなかった理由がミュージカルを大好きなめいめいらしいなと思う。そして、歌うと決断してくれたところからめいめいのファンへ対する愛が伝わってくる。めいめいがミュージカル女優を本格的に目指そうと意識し始めたのはLILIUMのマリーゴールドを演じてからだそうだ。そんなメモリアルなミュージカルのめいめいのソロを最後に聴けてすごく幸せだった。
   私のすごい方法では歌詞があまりにも今のめいめいにぴったりすぎた。
「たった10年そこそこの人生
浮かれてる暇もないけど
私じゃないと 出来ない方法
この手で 掴んでやる
でも10年そこそこの人生
浮かれてみたい日もあるよ
でもいつかきっと たどり着きたい
私の人生だもん」

17歳という年齢で自分の人生を決めていくめいめいの強さを感じた。この曲は本人の気迫がないといまいちピンとこない曲なのだが、松浦亜弥さんに勝るとも劣らぬ素晴らしいパフォーマンスだった。
   最後に歌ったのはONE DAY。スマイルファンタジーというスマイレージ時代にやったミュージカルのラストの曲である。
「なに気ない一日を過ごす
大好きなみんなと集まって」
この冒頭の歌詞でその日泣いてしまった。泣きすぎてぼろぼろになりながら、めいめいのことを大好きなファンだけが集まってる会場で、めいめいがそのファンを「大好きなみんな」と表現してくれたことだけでもう、充分幸せだと実感した。6人のスマイレージになったばかりの頃、小さい会場でもなかなか埋まらなかったこと、単独でコンサートをやらせてもらえず研修生と抱き合わせでツアーをやったことを走馬灯のように思い出した。めいめいのアイドル人生はきっと辛かったことや悔しかったこと沢山あっただろうに、「この一日が宝物」だとこんなに誇らしく歌ってくれている。最後までアイドルでいることへの覚悟が垣間見えた。
   アイドルのめいめいを観られるのが5月30日で最後なのはとても悲しいことだが、ソロライブで自分の表現力を最大限発揮して歌って踊る姿を見てミュージカルの世界に挑んで行くめいめいを応援する気持ちがどんどん湧き上がってきた。開演まではただめいめいの卒業を悲しむだけでそんな気持ちにはなれなかったのに。武道館公演でめいめいを笑顔で送り出せる気がしてきた。公演中もたくさん泣いてしまうだろうけど、悲しいと思ってしまうだろうけど、最後はおめでとうと心の底から思えるような気がする。それはめいめいが目の前にいてくれる世界はとんでもなく素晴らしいものであったと、 胸を張って言えるからだと思う。



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ソロライブに行ってよかった。たくさん涙を流して悲しむ場所をめいめいが用意してくれたから。アイドルとしての田村芽実の卒業公演は武道館ではなくソロライブにあったのではないかと思う。そして武道館はスマイレージ、アンジュルムとしての田村芽実の卒業公演かな、と。

   今この文章を5月30日当日朝、満員電車に揺られながら書いている。あと10時間後にはめいめいの卒業公演が始まっていると思うと切ないが、最後のめいめいの姿をしっかり目に焼き付けてこようと思う。めいめい、今までずっとアイドルでいてくれてありがとう。めいめいがアイドルになってくれたからめいめいを見つけることができたよ。わたしの前に現れてくれてありがとう。これからはミュージカル女優としてまた頑張るめいめいを応援するね。いつか帝劇でめいめいの演じるエポニーヌを見られるの楽しみにしてます。今までお疲れ様。ずっとずっと大好きです。


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